研究テーマ
研究キーワード: マイクロ波工学、ミリ波工学、高周波計測工学に関する要素技術
- マイクロ波工学
- ミリ波工学
- 高周波計測工学
- 受動回路
- 材料評価
研究の背景
IoTや5G/6Gに代表される次世代無線通信技術の実現には、マイクロ波からミリ波・サブTHz波帯 (およそ1 GHz〜300 GHz)にわたる広い周波数帯で様々な要素技術が必要とされています。 当研究室では、次世代無線機器向けに開発中の材料を高精度に評価する技術と、 ミリ波帯における低損失回路設計に関する技術の両面から研究に取り組んでいます。
マイクロ波・ミリ波帯の材料評価法の開発
共振現象を利用した高精度な材料評価技術の開発に取り組んでいます。 誘電率・誘電損失の測定法から不確かさ評価、温度・湿度など様々な 環境下での材料特性評価まで幅広く扱っています。また、Additive Manufacturing技術や低コスト計測機器を活用した新しい評価システムの 開発も進めています。 材料メーカーとの共同研究を通じ、新規材料開発への貢献を目指しています。
マイクロ波・ミリ波受動回路の開発
低損失ミリ波伝送線路の研究、超電導技術を用いた超低損失ミリ波回路、 アディティブ製造技術による高周波回路の開発を進めており、 IoT・5G/6G通信技術への貢献を目指しています。
現在取り組んでいる研究例
ミリ波・サブTHz帯における誘電体材料の高精度測定
共振器を用いた複素誘電率評価法の確立と材料メーカとの共同研究による新規材料評価
温度・湿度環境下での材料特性評価
恒温恒湿環境室等を用いた実使用環境に近い条件下での高周波材料特性の評価技術
ミリ波・サブTHz帯の低損失導波路・受動回路
WRG線路技術などを用いたミリ波・サブTHz帯におけるバンドパスフィルタ・伝送線路の設計
3Dプリンタ等を利用した低コスト高周波計測
Additive Manufacturing技術とDIY型計測機器による安価で軽量な材料評価システムの開発
SDGsと関連した研究テーマ
次世代無線通信用極低損失超伝導デバイスの開発
5G/6G無線通信といった次世代通信システムではミリ波帯利用が求められています。ミリ波帯では一般に回路損失が増加し、 無線通信に必要な消費電力が増大します。これまでに比較的低損失なミリ波デバイスを開発してきましたが、まだ不十分です。 究極のミリ波低損失デバイスを開発するには、低温下で損失がほぼゼロとなる超伝導体の活用が鍵となります。 極低損失ミリ波超伝導デバイスの開発により、システム全体の消費電力の削減、さらにはCO2排出量の大幅な削減に貢献します。
誘電体基板の低マイクロ波・低コスト評価システムの開発
持続可能な社会の実現に向け、IoT技術を活用した多種多様なワイヤレス機器の迅速な開発が求められています。 これら開発に必須となる誘電体基板の材料定数を、誰でもどこでも簡単に評価できることが重要です。 従来、極めて高価かつ高重量であった低マイクロ波帯の材料評価システムを、Additive Manufacturing技術とDIY型計測機器を用いて、 安価かつ軽量な材料評価システムとして実現することを目指しています。これにより、ワイヤレス機器開発や新材料開発に貢献します。
Additive Manufacturing技術と高周波回路で学ぶモノづくり
各種デバイスは高度化の一途をたどり、PCシミュレーションによる設計が主流です。このため、モノを自ら創り出す喜びに触れる機会が 少なくなっています。しかし、設計からモノづくりまでを体験することで、様々な気づきを通じたホンモノのエンジニアになれると 考えています。3Dプリンタやプリンテッドエレクトロニクス(PE)技術に代表されるAdditive Manufacturing技術を活用し、 設計から製作までを自ら迅速に行える環境を準備し、責任感あるエンジニアを育てています。
主な研究設備
電磁界解析シミュレータ(回路設計等に使用)
- Ansys HFSS — 1台
- COMSOL Multiphysics — 1台
- ムラタソフトウェア Femtet — 4台 など
ネットワークアナライザ(回路や材料特性の評価に使用、含共用)
- ベクトルネットワークアナライザ — 2台
- スカラーネットワークアナライザ — 3台
その他各種機器(含共用設備)
- 高精度恒温恒湿環境室、湿度試験器、環境試験器×2、極低温試験器、高温試験器
- プローブステーション、防振台、実体顕微鏡、微動ステージ各種、自作回路シミュレータ
工作・実装機器
- 3Dプリンタ Zortrax M200 / Zortrax M300
- 卓上CNCフライス オリジナルマインド KitMill RZ420
- PCBカッター、超音波ドリル、ハンダステーション
研究室見学時に実物を見ることができます。